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橈骨遠位端骨折

私たちの前腕(肘から手首まで)の骨は2本あり、橈骨(とうこつ)というのはそのうち太いほうの骨です。この骨は転んで地面に手をついたときにしばしば折れてしまい、手首のところで折れた場合、「体幹から遠い端っこのほうで」折れるため橈骨「遠位端」骨折と病名がつきます。(ちなみに、折れた骨のレントゲンを患者様にご説明している際、よく「ヒビですか?骨折ですか?」と訊かれますが、ヒビであってもぽきっと折れていても、病名は同じ「骨折」となります。ヒビも医学的には骨折と呼びます!)

受傷したあと明らかに手首が変形したり直後から腫れがひどかった場合は骨折しているかなと予想がつきますが、特に子供の場合は骨がまだ若いため骨折をしても腫れがひどくならない場合があり、注意が必要です。また、まれに親指を伸ばす腱が後日切れることがあるので、親指が動くかどうかも要注意です。

骨折と診断されたら、ギプスなどで固定して骨がくっついてくるのを待ちます。しかしながら、まれにギプスをしていても中でずれることがあり、その場合は手術が必要になることもあります。ギプス固定していても中でずれてしまう理由としては、固定により筋肉が急におとろえ腕が痩せてギプスがゆるくなってしまうことや、子供の場合は安静が保てなかったりといったことが挙げられます。
骨折部のずれが元々大きかったり、骨が粉砕しているような場合には、最初から手術でワイヤーやプレート固定をすることもあります。

医師 長谷川 典子