産婦人科 – 乳癌検診
乳癌検診のご案内
最近日本人女性の乳癌発症率は年々上昇してきています。現在、乳癌に罹る確率は30人に1人と言われていますが、この率も年々上昇の傾向にあります。 乳癌は早期(2cm以内のしこり)で発見できればほとんど治すことができます。発症年齢のピークは45歳ですが、20代でも認められます。
以上のことより、年に1回の検診をお勧めします。乳癌検診の項目として、乳房の視触診、乳房超音波検査、乳房レントゲン(マンモグラフィー)検査があります。
乳房の視触診
最も簡便な検査ですが、乳癌の中にはしこりを作らない癌もあります。また小さなしこりは触診だけでは見落とされる可能性があります。そのため、できるだけ乳房超音波検査または乳房レントゲン検査を併用することが推奨されています。
乳房超音波検査
超音波の機械を用いて、癌などの病巣がないか調べます。痛みのない検査です。しこりを作るタイプの癌の発見に適しています。若い方の検査に向いています。
乳房レントゲン検査(マンモグラフィー)
乳房を縦、又は横に板で挟んでレントゲン撮影する検査です。圧迫による軽い痛みがあります。ごく細かな乳腺の変化や超音波では発見できないしこりを作らない乳癌(乳癌に伴って微細な石灰化巣が見られる)の発見にも適しています。40代以上の方にはこちらの検査をお勧めします。
乳癌検診を受ける時期
乳癌の検査は乳房の張りの少ない生理後4~5日目が適していますが、こだわる必要はありません。マンモグラフィー検査は、ほんのわずかですが被爆しますので、妊娠中の方は受けられません。
自己検診のすすめ
乳癌は自己検診でも発見することが出来ます。月に一度(閉経前の方は、生理が始まって4-5日目)は自己検診を行ってください。普段から自分の乳房の状態をわかっていれば、いざしこりができたときに「何かできた」と気付くことができます。
自己検診の方法
乳房の形はどうか
鏡の前に立って、両腕の力をぬいて自然に下げたまま、次のことを調べます。
- 左右の乳房の形や大きさに変化がないか。
- 乳房のどこかに皮膚のへこみや、ひきつれがないか。
- 乳首のへこみ、ただれができていないか。左右の乳房の形や大きさに変化がないか?
両腕を上げた状態で、上の1〜3と同じことを調べます。(しこりがあると、そこにへこみができたり、ひきつれができたりすることがあります。)
乳房にしこりはないか
仰向けに寝て、調べる側の肩の下に、あまり高くない枕あるいはタオルを折って入れます。両腕を上にあげ、調べる胸と逆の手の指をそろえてのばし、胸の内側の部分を指のはらを使って胸の中央部に向かって、柔らかく、しっかりすべらせるようにしながら、まんべんなくしこりの有無を調べます。
次に、同じ姿勢のまま腕を自然な位置に下げ、今度は、乳房の外側(乳首より外側)の部分を、外から内に向かって、柔らかく、しっかりと指をすべらせて調べます。
わきの下のリンパ節にしこりがないか
起き上がり、右手の指をそろえてのばし、左のわきの下に入れて、しこりがあるかどうかを指先で確かめます。右のわきの下についても同様の方法で調べます。
乳首から異常な分泌物が出ないか
左右の乳首を軽くつまんで、血液の混じった分泌物が出ないかどうかを確かめます。
乳癌の危険因子
- 40歳以上
- 未婚
- 出産経験が無い、あるいは初産年齢が30歳以上
- 初経が11歳以前
- 閉経が55歳以降
- 肥満
- 乳腺症になったことがある
- 乳癌になったことがある(もう一方の乳房も乳癌が発生する可能性あり)
- 家族に乳癌になった人がいる