医師コラム

2025年11月18日

やけど

家庭内で最も多い外傷のひとつが「やけど」です。熱湯、油、アイロン、ストーブなど、日常生活の中に原因が潜んでいます。やけどの種類と重症度は以下のようになっています。 Ⅰ度熱傷:皮膚の赤みとヒリヒリ感が生じる Ⅱ度熱傷:赤みの他に水ぶくれができる。浅ければ痕は残らないですが、深い場合は痕残ることも。 Ⅲ […]
2025年11月11日

「ビタミンⅮ足りていますか?」

シンガポールでは、約40%の人がビタミンD不足であり、女性で特に高く54. 5%に達します。主な症状は疲労感、骨や筋肉の痛み、免疫低下などです。多くの研究で、ビタミンD不足は片頭痛発作の頻度や重症度の増加と関連している可能性が示唆されており、特に慢性片頭痛患者で低値が多く認められます。日焼け止めの使 […]
2025年11月4日

発達障害診療2「発達障害/神経 発達症の定義」

「発達障害診療について1」では、診断というもののプロセスと、発達障害には慎重な診断が重要であることを述べました。2では、発達障害/神経発達症の定義について述べていきたいと思います。 「発達障害」という言葉は、実は現在は診断名として使用されていません。この言葉は現在、発達障害者支援法(2004年制定) […]
2025年10月28日

画像優位性効果

文字や言葉だけで説明するよりも、絵や写真は一瞬で意味を把握しやすく、長期記憶にも残りやすいとされています。心理学者アランパイヴィオの「DUAL CODING THEORY」が基礎となった心理学的現象でPICTURE SUPERIORITY EFFECTと呼ばれます。 脳の視覚野は画像の処理に特化して […]
2025年10月21日

味覚は育つ。苦いけどイケる。

子どもと大人の味覚の差は、ただの好みだけではありません。特に苦味に関しては、子どもの方が感受性が高いことがわかっています。これは、生き物が有毒なものを避けるための防御反応だといわれています。大人になると味の感受性が鈍くなるうえに、経験を通して「食べられる」「おいしい」へと変化していきます。 私も子ど […]
2025年10月14日

からゆきさんを思う

1900年頃のシンガポールには日本人が千人ほど住んでおり、九百人余りがからゆきさんだったと記録されている。娼館で働かされたからゆきさんのほとんどは人身売買か、「海外でいい仕事がある」と騙されて連れてこられた、まだ十代の少女たちであった。不衛生な環境で、二十歳前後で亡くなる人も多かったらしい。不幸な少 […]
2025年10月7日

乳幼児期における親との食器共有

日本口腔衛生学会の興味深い情報をシェアしたいと思います。親と子どもの食器共有について、虫歯予防には科学的根拠がないものの、親の唾液が子どものアレルギーを予防する可能性があることが示されています。 興味深いことに、親からの口腔細菌の感染は食器の共有が始まる前から始まっており、生後4か月で母親の口腔細菌 […]
2025年9月23日

シンスプリントと疲労骨折

以前のコラムではランニング障害についての総論と、腸脛靭帯炎についてお話ししました。そこで今回は、シンスプリントと疲労骨折についてもお話をしたいと思います。 シンスプリントと疲労骨折は、運動習慣のある人々にとって身近な障害でありながら、その違いを正しく理解している人は意外と少ないかもしれません。どちら […]
2025年9月16日

赤ちゃんがほしい9(体外受精3)

今回は体外受精の流れについてお話していきます。 体外受精と聞くと、「通院が多そう」「身体に負担がかかりそう」「費用も高いのでは」と感じる方も多いと思います。確かに、タイミング法や人工授精に比べると、準備や手順は多くなります。 ですが最近では、より身体に優しく、個々の体質や状況に合わせた柔軟な治療法が […]
2025年9月9日

義歯(入れ歯)を勧められたら

歯科治療をしていると、患者さんが不摂生をしていなくても、高齢でなくても残念ながら歯を抜かなければいけない場面に遭遇します。歯が抜けた部位をインプラントで治療ができればよいのですが、顎の骨の状態や費用などの制約から難しい場合もあり、入れ歯をお勧めすることがあります。 歯を数本失ったくらいでは義歯など入 […]