BCG – 予防接種
1. 予防する疾患・感染症
結核とは、結核菌の感染によって起こる病気で、特に乳幼児の場合は粟粒結核、結核性髄膜炎などが問題になります。過去の病気と考えられていた時期もありましたが、日本では最近増加傾向にあります。また、薬の効かない結核菌も問題となっています。シンガポールは結核の流行地域からの人の出入りも激しいため、3のように出生時に予防接種が行われています。
2. 日本:定期接種 シンガポール:定期接種
3. 接種時期および接種回数
1歳未満のうちに1回。日本の現行のスケジュールでは、生後5か月から7か月での接種が奨励されています。シンガポールは出生時に接種します。
4. 接種方法
日本ではスタンプ式(当クリニックもこの方法)
シンガポールでは皮内注射(部位は出生病院によって異なりますが、主に左臀部または左上腕)
5. 効果の持続期間
約10年から15年
6.接種部位の変化など
接種後10日頃から接種部位が赤く硬くなり、その後、大きなニキビのような変化を経て、「かさぶた」ができます。接種1ヶ月後頃が最も強い反応が出ますが、通常の反応です。4で述べたようにシンガポールでは左臀部に打つため、1ヶ月健診で「おしりに変なおできがある」と心配される親御さんがいらっしゃいます。BCGの痕ですので心配いりません。この接種方法の場合、生後1~2ヶ月で左のソケイ部リンパ節が腫れることがあります。2cmを越えていなければ経過観察で良いとされています。
7. その他
以前、日本ではツベルクリン反応(結核菌に感作されているかを判定する検査)を行ってからBCGを接種していましたが、2005年からは1歳未満の定期接種時には、ツベルクリン反応検査を行なわずに直接接種となっています。シンガポールでもツベルクリン反応は行わずに接種します。