最近やけにフケが多くなった、毎日シャンプーしてもフケが減らない、頭皮にかゆみもある・・・
そんな症状は「脂漏性(しろうせい)皮膚炎」かもしれません。
脂漏性皮膚炎は顔の中心部(眉頭、眉間、鼻周囲など)や耳の周囲にも出現することがあります。
その際も皮膚がガサガサしたり赤みやかゆみを伴いますが、おでこの生え際や頭皮に出現した場合、単なるフケだと思って放置してしまう人も少なくありません。頭皮は特に皮脂分泌の多い部位ですが、マラセチアという真菌(カビ)により皮脂が脂肪酸に分解されることで炎症を引き起こします。これが脂漏性皮膚炎です。
マラセチアは私たち人間の皮膚に常在菌として普段から存在していますが、栄養バランスの乱れ・過労・ストレスなど何らかの要因で皮脂分泌が過剰になると、それに伴いマラセチアも増加して皮膚炎を発症しやすくなります。
治療法としてはかゆみを抑えて皮膚の炎症を鎮める抗アレルギー剤の内服およびステロイド剤の外用、そしてマラセチアの増殖を抑制する抗真菌剤入りのシャンプーや外用剤などを併用します。
またビタミンBの不足を補うためにビタミン剤を処方することもあります。
皮脂の分泌は必ずしも高温多湿の気候だけが原因で多くなるわけではありません。
乾燥が原因で過剰な皮脂分泌を招くこともありますし、仕事上のストレスやお子さんの教育問題など精神的な悩みがきっかけになることもあります。
おかしいな?と思ったら早めに皮膚科医に御相談ください。
医師 大木 理香