初めて会った人の息が不快だと第一印象からマイナスイメージを持ってしまいますよね。においはデリケートな問題なので他人へ指摘しづらい上に、当の本人は自身の口臭に気づいていないことも多々あります。口臭は体臭、たばこ臭、加齢臭などとならんで、相手を不快にさせるにおいの代表選手です。
口臭は胃腸が悪いことが原因で起こると思っている人も多いのですが、実際の口臭の原因の90パーセントは口腔内にあるとされています。口臭の原因は、口腔内細菌が食べカスや古くなった粘膜細胞などのたんぱく質を分解するときに発生する揮発性硫黄化合物です。具体的には、進行したむし歯を放置している、歯石を1年以上取っていない、歯ぐきから出血がある、舌が白い、たばこを吸う、常時緊張やストレスにさらされている、口の中がねばねばする、口が渇くなどに思い当たる節がある場合は、要注意です。
では、どうすれば口臭を少なくできるのでしょうか?それほど難しいことをする必要はありませんが、生活習慣を少し変えたほうがよいかもしれません。例えば、起床時に舌ブラシで舌の清掃をし、朝食は必ずしっかり嚙んで摂ります。カフェインは口腔乾燥を引き起こすので、コーヒーなども飲みすぎない、喫煙する方も本数を減らす、などです。そして、ご家族がいる場合は臭いがある場合は指摘してもらうようにお願いして、かつ、少なくとも一年に2回は歯科定期健診を受けるとよいでしょう。自分の口腔内の状態を時系列で理解してくれる、かかりつけ歯科医を持っておくことは重要なことだと思います。
医師 畑 茂