前回、抗体を持たない方が妊娠中にサイトメガロウイルスに感染すると、赤ちゃんに感染がおよび、難聴などの障害を生じることがあることを説明しました。
今回は感染しないために気を付けることをお伝えします。
サイトメガロウイルスは、感染したお子さんの唾液や尿にでてきます。実は、妊婦さんにおいてサイトメガロウイルスの主要な感染経路は、上のお子様を含む周囲のお子様です。上のお子様のお世話をするにあたり、次の点に注意するだけで感染のリスクを1/5 ―1/10まで、減らすことができます。
1 おむつ交換、お子様の食事や鼻水、よだれの処理をした後などは、せっけんを使って念入りに手洗いをしましょう。
2 お子様の唾液やおしっこがついてしまったおもちゃや家具は市販の消毒薬(アルコールや洗剤など)できれいにふき取りましょう。
3 よだれの付いたお子様の手やおもちゃが口に入らないようにしましょう。
4 食べ物、飲み物はお子様とは別にし、同じ箸やスプーンなどは使わないようにしましょう。
5 お子様のお顔やお口にキスをするのはやめましょう。
6 サイトメガロウイルスは乾燥にも弱いので、敷物や布団、シーツは天日で十分乾燥させましょう。
7 保育所などたくさんのお子様と接する機会の多い職場で働いている場合は職場でも上記の感染予防を実践しましょう。
抗体があるか心配な方は、血液検査で調べることも可能です。
クリニックでご相談ください。
医師 長谷川 裕美子