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前回は生理中から生理直後に行う検査についてお話しました。今回は排卵期に行う検査についてです。月経周期が28―30日周期の方は月経10―12日目に受診して経腟超音波で子宮や卵巣に不妊の原因になるような異常(子宮筋腫や子宮内膜ポリープ、卵巣腫瘍など)がないかの確認とともに卵胞という卵子の入った袋のサイズを測ることで排卵日の予測を行います。排卵日がわかりましたら医師の指定した日に性交をし、性交した数時間後(10時間以内が理想)に来院してフーナー検査(Huhner Test)を行います。これは精子と頸管粘液の相性をみる検査で、子宮頸管より頸管粘液を採って顕微鏡下に精子の数や運動性をみる簡単な検査です。間接的な精子の検査にもなりますのでこの検査で結果がとても良い場合は精子検査は不要になります。フーナー検査の結果が不良な場合は1)精子自体が不良(精子検査で確認できます)、2)相性が不良、3)その他が考えられます。この頸管粘液は子宮の入り口である頸管から排卵期になると分泌され、性交後にはこの粘液中を精子が泳いで子宮内に到着する仕組みになっています。頸管粘液の分泌が悪い場合や、精子そのものはまったく問題がなくても精子と頸管粘液の相性が悪い場合などは通常の性交ではなかなか妊娠しないため人工授精などの所謂不妊治療が必要になります。

一度同じパートナーで妊娠されている場合は相性は問題ないと思われるため、必ずしも必要な検査ではありませんが、その場合は精子検査を受けることをお勧めします。また、一度の検査では100%の診断ではないため検査結果が不良であった場合は別の周期に再検査をし総合的に判断します。

精子検査をご希望の場合は前日までに予約をとっていただき、指定の容器に精液を採り、採取後1時間以内にお持ちください。検査の前に2―4日間の禁欲期間が必要です。そのため排卵期を避けて検査することをお勧めします。

次回は排卵後の検査についてお話します。

医師 長谷川 裕美子