歯石
2022年6月28日
未受精卵の凍結保存について(追記:シンガポールの状況)
2022年7月12日

歯の治療途中の転院

急な転勤や転校などで引っ越しすることになると、定期的に通っていたかかりつけ歯科に通えなくなったり、歯の治療を完全に終えられないまま通院出来なくなることがあります。

シンガポールで日々日本人の歯科診療をしていると、シンガポールに引っ越してきてから数年間歯科にかかっていなかったという患者さんが多くみられます。もちろん当地の診察スタイルが費用を含めて日本と多少違うので、何となく歯科医院に足が向きづらいという事情もあると思います。同様に、当地での歯科治療中に急な本帰国やスライド転勤に直面する方々も多くいらっしゃいます。

歯や歯ぐきの疾患は、ひとたび治療すれば完全に治癒するといったものではなく、歯科医院で定期的にお口のメインテナンスを行いながら必要に応じて治療を行う、と理解していただくとよいかもしれません。我々歯科医は治療の過程を何段階かに分けてイメージしており、期間をあけずに一気に治療すべきもの、しばらく治療期間が開いてもよいもの、最低限ここまで治療しておけば区切りがつくもの、などを考えながら治療しています。長い期間を必要とする歯の治療中で遠方への引っ越しが決まった場合は、出来るだけ早めに歯科医までお知らせください。残された時間や来院回数の中でどこまで治療出来るかの最良案を患者さんと一緒に考えていきます。

歯の治療は細かいことが行われているので前の歯科医院からの情報が無いと全く初めから治療がやり直しになるのでは、と心配なさる方もいらっしゃいます。受け入れ側歯科医院も長年さまざまな患者さんと接しているのでそのあたりは心得ており、例え紹介状がなくてもお口の中を診ればすぐに患者さんの様子はわかります。何らかの理由で治療を中断してしまっている方でも気軽に歯科受診なさることをお勧めします。ただし、ご自分の治療への希望はしっかり歯科医に伝えて下さいね。

歯科医師 畑 茂