胎児が必要とするカルシウムが直接歯から溶け出すということはありません。しかし妊娠中には歯が悪くなりやすい要因がいくつかあることはたしかです。意識して歯を健康に保つように努めましょう。体調の良いときに歯の検診を受けておくのも良いでしょう。
つわりの時期も歯は悪くなりやすいのですが、これは食生活が不規則になったり、酸性の食品が増えたり、歯ブラシを口の中に入れるだけで気持ちが悪くなって歯磨きができない、等の理由があります。食べたらそのつど歯磨きをするのが理想ですが、難しい場合は水で口をすすいで歯を清潔に保つようにしてください。比較的気分のよい時間帯に丁寧に歯磨きをしましょう。歯ブラシを小さいものに変えると磨きやすくなることもあります。
歯科医師 伊藤 明雄