最近、子供たちの食べ方の問題や食べることへの無関心さなどが話題に上がることがあります。昔は、生きる為に必要な食べ物を求めて、生活の多くの時間を狩りや農耕などで食べ物を手に入れる為に使われていた時代もありました。文明の発展とともに食べ物の生産や流通も変わり、容易にいろいろな食べ物が手に入る時代にはなりましたが、かえって食べることについての関心は低くなってきているのが現状です。
周囲の大人たちが食事をどう考え、子供たちにどう対応しているかが、子供たちの食べ方に大きな影響を与えます。家族そろって食事が出来ない状況であったり、食事より勉強のほうが重視される状況の中では、子供が食べるということを大切にする意識は育ちにくいものです。
食事の場を通じて子供は多くのことを学んでいきます。家族やいろいろな人たちと一緒に食べることで、食べる楽しみや様々な食べ物、食べ方を覚えていき、子供の食べることへの関心は高まります。
やがてお子さんが大人になり親となったとき、自分の子供に食べることの大切さを伝えていけるように、また、さらに年をとり高齢になっても、食べたいものを自分の歯で食べて心も身体も元気に暮らせるように、ご家庭での一日一日の食生活を大切にしていきましょうね。
医師 伊藤 明雄