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旅行前の歯科検診はなぜ必要?飛行機と歯の痛みについて 

やっと海外旅行や日本への一時帰国が行きやすくなりました。私も日本に帰る予定を考えておりワクワクしています。
ところで旅行中や機内で歯が痛んだ経験はありますか。コロナ前には、日本からシンガポールに来られる旅行客で、歯の痛みで旅行を楽しめないとか、美味しく食べれなくなったという方が時々受診されました。航空会社のHPでも「飛行機の中では歯の痛みが出る場合があること」「虫歯などがあるかたは旅行前に治しておくこと」などが注意書きとして載せられています。

何故そのような事が書かれているかというと、気圧の変化で歯の痛みを誘発してしまう事があるからです。上空を飛ぶ飛行機の中では地上よりも20%ほど気圧が低くなります。例えばスナック菓子を機内にもっていくと袋が膨らみパンパンになりるように、あの状態が歯でも起こります。歯の内側には歯髄腔(しずいくう)という歯の神経が入った空洞があり、気圧が下がるとこの空洞が膨張し、それが神経を圧迫し痛みとなって現れます。この様な歯の痛みは健康な歯には起こることはありません。気をつけなければいけないのは、虫歯を放置している、虫歯の治療を終えていない、根の神経の治療をしている、根の先端に膿が溜まっている歯では痛みが出る確率が高くなります。

コロナ下であまり歯科検診に行けなかった方、ご旅行前に心配な方は虫歯などの歯の異常がないかチェックしておくことをお勧めします。
それでも痛みが出てしまった時の対処法ですが、心配な方は機内に痛み止めを持参し(機内に用意している航空会社もあります。)、到着後になるべく早く歯科を受診してください。

医師 伊藤 明雄