日本口腔衛生学会の興味深い情報をシェアしたいと思います。親と子どもの食器共有について、虫歯予防には科学的根拠がないものの、親の唾液が子どものアレルギーを予防する可能性があることが示されています。
興味深いことに、親からの口腔細菌の感染は食器の共有が始まる前から始まっており、生後4か月で母親の口腔細菌が子どもに伝わっています。食器の共有は生後5ー6か月頃から始まりますが、それよりも前からスキンシップで唾液に触れています。そのため、食器の共有を避けることに過度に神経質になる必要はないでしょう。
口の中には数百種類の細菌が存在し、ミュータンスレンサ球菌以外にも虫歯の原因となる細菌がいます。日本の研究では、3歳児では親との食器共有とう蝕の関連性は実は見られていません。
虫歯予防には、ダラダラ食べを控え、親が仕上げみがきをし、フッ化物を使用することが大切です。ぜひ、これらのポイントを意識して、お子さんの健康を守りましょう。
医師 伊藤 明雄