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脂質異常症(高脂血症)の治療 「食事と運動療法のポイント」

脂質異常症の治療の基本線は、「食事療法を中心とした生活習慣の改善」と「薬物治療」が二本柱となります。今回は食事、運動療法のポイントについて述べたいと思います。

脂質異常症の人は必要以上にエネルギーを摂取しているいわゆるオーバーカロリーの人が多く、下記の適切なエネルギー摂取量を守ることが重要です。1日の適正エネルギー摂取量=標準体重×30kcal(標準体重=身長(m)×身長(m)×22)が目安となります。また下記を日常生活の一部に組み入れることが成功させる秘訣でしょう。

1 一日の食品から摂取するコレステロールの量は、300mg以下にする。コレステロールを多く含む食品(鶏卵、魚卵、脂身の多い肉類)の摂りすぎに注意。
2 コレステロールの排泄を促進する食物繊維(野菜やきのこ、海草など)を多く摂るように心がける。
3 コレステロールの体内での酸化や動脈硬化を防ぐ抗酸化食品(緑黄色野菜や果物、ナッツ類など)を多く摂る。
4 中性脂肪が高い人は、アルコールや糖分を控えるようにする。
以上の注意が重要です。

次に運動療法ですが、脂質異常症の改善に有効な運動とは、ハードなスポーツではなく、酸素を体内に摂り入れながら行う有酸素運動といわれるものです。ウォーキングや水泳、サイクリングなどが該当します。これらを1回あたり30分から1時間、週3回以上行うのが効果的です。週1回のゴルフでは残念ながら効果は期待できません。通勤時間を利用してウォーキングを行う。日常生活の一部に組み入れることが成功させる秘訣でしょう。

医師 中澤 哲也