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家族性高コレステロール血症

脂質異常症は主に食べ過ぎ、運動不足、肥満などの生活習慣が原因で発症してくるものと考えられますが、中には遺伝性が強く、生活習慣とは全く関係なく発症してくるタイプもあります。
家族性高コレステロール血症といわれるものです。この疾患はLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高く、若年時から、心臓の血管に動脈硬化(狭心症、心筋梗塞)を起こし易い遺伝性の疾患です。頻度は軽症のケースが500人に1人以上、重症は100万人に1人以上と言われ、日本では25万人以上と推定されています。
症状としては若年時からLDLコレステロールが高い以外に、黄色腫(コレステロールが沈着した隆起)がアキレス腱や肘に見られることがあります。

以下の項目に当てはまる方は注意が必要です。
1)LDLコレステロールが180mg/dl以上
2)黄色腫がみられる
3)血縁者にLDLコレステロールが180mg/dl以上や、若年で心筋梗塞、狭心症
になった者がいるなどです。

家族性高コレステロール血症と診断された場合は、動脈硬化進行による狭心症、心筋梗塞を防ぐために治療が必要です。治療としては低脂肪食の摂取、スタチン製剤による薬物療法、重症の場合はLDLアフェレーシスがあります。

医師 中澤 哲也