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糖尿病の食事療法

糖尿病の治療には食事療法、運動療法、薬物療法の3つがあります。この中でも重要度からいうと食事療法、運動療法がピラミッドの底辺部分に相当し、糖尿病治療の大きな比重を占めています。つまり糖尿病治療では、食事、運動という患者さんの自己管理が非常に重要になってきます。なかでも食事療法は血糖の上昇に直接関係してくるため、特に重要になってきます。

食事療法の概要:糖尿病の食事療法は特別な食事があるわけでなく、一日の摂取カロリーを守り、過剰な摂取を避け、栄養素をバランスよくとる事が大切です。
健康な成人男性で1日2500kcal程度摂取しているといわれますが、糖尿病では1日1200kcalから1800kcal程度に制限します。具体的には患者さんの年齢、日常生活での運動強度や肥満の程度により決定します。また、その他注意として以下の点が上げられます。
1 バランスよく食べる。糖尿病の食事療法では、毎日いろいろな食品を適正な量食べる事が大切です。一般的には3大栄養素のうち炭水化物、蛋白質、脂質を60%、20%、20%の割合で摂取することが推奨されています。
2 1日3食均等に食べる。たとえ1日量として同じエネルギー量の食事でも、1食や2食だけに集中して食べると血糖の上昇が大きくなり、血糖コントロールを乱します。3度の食事のカロリーが大体均等になるようにしましょう。
3 よく噛んでゆっくり食べる。1口20回以上噛むようにすることで、脳の満腹中枢が刺激され、適量で満腹感を得ることができます。食べ過ぎの防止になります。
4 野菜を多く摂る。野菜は食物繊維を多く含み糖の吸収を遅らせ、血糖の上昇を緩やかにします。また、コレステロールを減らし、脂肪の吸収を抑える効果もあります。
5 間食は避ける。間食(甘い菓子やせんべい類など)は、せっかく食後に低下した血糖値を急激に上昇させ、血糖コントロールを乱すので絶対に避けましょう。
6 果物の摂り過ぎには注意を。果物はビタミン類を含み身体にいいものというイメージがあるためついつい多く食べてしまいがちです。しかし果物には糖分が多く含まれるため、食べ過ぎると血糖を大きく上昇させます。1日に1単位(80kcal、こぶし1つの大きさが目安)程度に抑えましょう。

医師 中澤 哲也