湿度の高いシンガポールでは、外出時はあまり感じないドライアイ。しかし1日中クーラーの効いた室内で、スマホ、パソコンや読書をしていると無意識のうちに目頭を押さえていることはありませんか??あるいは目が痛くなったり、しみたり、徐々にみえづらくなってきませんか??それが、ドライアイです。
ドライアイは、目の表面の透明な膜=角膜を覆っている涙の蒸発しすぎが原因になっているケースがほとんどで、涙が少ない、出ていないなどの涙液減少型は、非常に稀です。コンタクト装用により涙が奪われたり、モニターを見続けることでまばたきが減少し涙の交換がうまくいかなくなり、結果、目の表面の涙が少なくなり角膜や結膜(白目)に傷ができてしまいドライアイになってしまいます。瞬きの回数は会話などリラックスしている状態で、1分間あたり、16回程度、それがパソコンなど物を凝視している状態では6回程度まで減少するため、涙の蒸発を助長してしまいます。
ドライアイを防ぐために大切なのは涙。涙は角膜の表面から、水層、ムチン層、油層の3つの成分からなっています。
日本でも処方されることの多いおなじみのヒアレイン(日)、Hiarid(シ)=ヒアルロン酸は水層を補います。これに加えて、ムチン層を補う点眼薬「ジクアス」が現在の主流です。さらに、油を補充する点眼剤「カティオノーム」がこのシンガポールでは処方可能です。眼科で涙液層別診断をうけて、より快適なドライアイ治療をおすすめします。
最後に、日常生活でできるドライアイ対策として、就寝中のクーラーはOFFにする、まぶたを温めてあげることなども良い方法です。
医師 岡野 喜一朗