みなさん、働きすぎの眼をいたわっていますか? お仕事で長時間のパソコン作業。スキマ時間にも、スマホ。リビングでのんびりTV。読書も電子ブックやタブレットで読まれている方も多いですよね。私もファミコン世代で昔からゲームが好きでしたが、昨今、発光デバイスを眺めている時間は圧倒的に長くなりましたよね。
日常的に酷使している眼に対して、専門医よりアドバイスさせてください。
1)包括的な眼科健診:
目がよく見える!ではすみません。視力検査さえすれば十分と考えていいのは基本的に20代までです。30代になったら自覚症状のない緑内障や黄斑変性が生じる可能性があるため、視力検査に加え眼圧、眼底検査、更により早期発見を目指すなら3次元眼底撮影装置(OCT)の検査も加えましょう。コンタクトユーザーは、インターネットで購入していても年1回は度数があっているか検診をしてください。老眼、眼精疲労対策につながります。
2)禁煙:
喫煙は、血管収縮を引き起こし心臓疾患のリスクも高め、間接的に眼底出血などを引き起こしかねません。また、加齢黄斑変性や白内障は直接的にその発症リスクを高めます。
3)眼に良い食事:
バランスのとれたヘルシーな食事が一番ですが、加齢黄斑変性の予防にはルテイン、ゼアキサンチン、EPA. DHAなどのオメガ3脂肪酸を。眼精疲労にはブルーベリーや鮭などに多いアスタキサンチンの有用性が研究で示されています。
4)遺伝:
特に緑内障患者さんを家族内にお持ちの場合、発症リスクが4―9倍になると言われています。ご両親が緑内障治療歴がある方は、ぜひ眼科検診をしてください。
5)全身健康管理:
高血圧や高脂血症、糖尿病は、視力を失う眼疾患に直結します。定期的に健康診断を受けご自身の数値をしっかりと把握、認識しておくことが大切です。近年は、腕時計型や指輪型の健康測定器と、アプリで、個人で日頃の体重測定、体脂肪率、睡眠診断などができるようになりました。ぜひ活用して、未病医療に役立ててください。特に40代からは、ホルモンバランスの変化など、体調の変化がでやすいです。
上記をもとに、ぜひ目の健康資産を増やしてください。
医師 岡野 喜一朗