太陽光は赤外線、可視光線、紫外線にわかれ、さらに紫外線はUVA、UVB、UVCに分けられます。ほとんどのUVCはオゾン層で吸収されて地上に届きませんが、UVBの一部とUVAは地上に届いて人体にいろいろな影響を与えます。
紫外線の人体へのよい影響は、ビタミンDの合成があげられるでしょう。WHOによると、顔、両手、両腕に週2-3回、5-15分程度、日光にあたれば必要量が合成されるとされています。
一方紫外線の急性障害としてはUVBによる日焼けがあげられます。紫外線を浴びているとやがて日焼けが始まり、さらに浴び続けていると数時間後から発赤や水疱が現れ、その数日後には色素沈着を引き起こします。色白ですぐに赤くなるけれど色素沈着を生じにくい場合は、紫外線の影響を受けやすいので紫外線対策がより大切です。
性別では女子より男子のほうが紫外線に弱いとされています。
過剰な紫外線暴露で体力低下や免疫抑制を引き起こすことも知られています。さらに長期的にはしみ、しわなどの光老化などが問題となるでしょう。
紫外線対策として
1 紫外線の強い時間帯(10-14時)の外出、外遊びを避ける。
2 日陰を利用する(紫外線量が日向の50%程度にまで減る)。
3 日傘を使う、帽子をかぶる。
4 襟や袖のついた衣服で覆う。
服は、生地の色は濃い色のほうが紫外線を吸収しますが、熱中症の心配もあります。なので、白か淡色で、織目と網目がしっかりした綿か、ポリエステル・綿の混紡素材のものがよいでしょう。また七分袖や襟付きのように体を覆う部分が多い服のほうが紫外線から肌を守りやすいです。マリンスポーツを行うときはラッシュガードなどもおすすめです。
5 サンスクリーン剤を上手に使う。
サンスクリーン剤を選ぶとき、UVBに対する指標であるSPFの値は、WHOや米国FDAで推奨しているように15以上であればよいでしょう。PAはUVAに対する効果指標で+から++++までありますが、PA++か+++あれば十分です。プール授業のときはウォータープルーフのものを使うとよいでしょう。ただし、SPF、PAはあくまで実験室での測定値なので、必要な量を十分に均一に塗らないといけません。そのためには同じ場所に二度塗りすることも大切です。また、汗などで流れたりして効力が弱まるので、二時間ごとに重ね塗りをすることも必要です。
医師 大月 亜希子