家庭内で最も多い外傷のひとつが「やけど」です。熱湯、油、アイロン、ストーブなど、日常生活の中に原因が潜んでいます。やけどの種類と重症度は以下のようになっています。
Ⅰ度熱傷:皮膚の赤みとヒリヒリ感が生じる
Ⅱ度熱傷:赤みの他に水ぶくれができる。浅ければ痕は残らないですが、深い場合は痕残ることも。
Ⅲ度熱傷:皮膚の奥まで損傷。白~黄褐色、あるいは黒いかさぶたを伴い、痛みがない場合もあります。ただし、受傷直後に判定することは難しいです。
では、やけどを起こしたときはどうしたらよいでしょうか。まずはすぐに冷やすことが重要です。流水で15―30分冷却。ただし、シンガポールの水道水は、日本に比べるとぬるいですよね。その場合は冷却時間を長めにとりましょう(30分以上)。または、保冷剤や氷をタオルで包んで併用(直接肌に当てない)。保冷剤や氷を長時間直接あてるのは、凍傷の恐れもあり、推奨されません。
では、どういったときに病院の受診をしたらよいでしょうか。顔、手、足、関節部のやけど、広範囲(手のひら2枚分以上)、痛みがない(深いやけどの可能性)、子どもや高齢者のやけどなどがあげられますが、ここに挙げられている症状以外でも心配だったら受診するのがよいでしょう。
医師 大月 亜希子