風邪をひいたときなどに、声が嗄(か)れてしまうことがあります。また、前日にお酒を飲みすぎて翌朝声がでなくなったり、カラオケで歌を歌いすぎて、声が嗄れたといった症状で受診される方もいらっしゃいます。あるいは、声嗄れが1ヶ月以上続く場合もあります。どうして声が嗄れたりでなくなってしまうのでしょうか?
ノドの奥、男性でいえばのどぼとけのあたりに、声帯(せいたい)という声を出す部分があります。ノドの炎症が声帯にまで及んでしまうと声が嗄れます。そのため、風邪の炎症や歌いすぎで声帯が腫れると、声が嗄れてしまいます。また、食べすぎ・飲みすぎなどで胃酸が逆流することがあり、酸に弱いノドの粘膜や声帯が炎症を起こして声が嗄れてしまうこともあります。
炎症を抑えるお薬ですぐに症状がよくならない場合には、声帯にポリープやできものがある場合もあります。特にタバコやお酒を嗜好される方は、ポリープや腫瘍(しゅよう)ができることもあるので注意が必要です。また、まれに声帯が動かなくなってしまう特殊な病気や、心理的な問題で声がでなくなる場合もあります。声がでない状態が続く場合は、無理に声を出さないようにして、医療機関でご相談ください。
医師 千原 康裕