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コロナ感染後の後遺症

新型コロナウイルスの流行から2年がたちましたが、感染時の急性期の症状とともに、さまざまな後遺症も報告されるようになってきました。英語ではLONG COVID、Post COVIDなどと表現されます。どのようなものがあるのでしょうか?

症状としては、体のだるさ、息苦しい感じ、脱毛、睡眠の異常、嗅覚・味覚異常、咳、頭痛などが知られています。日本の国立国際医療研究センターの調査では、半年後に26.3%、1年後にも8.8%の患者さんに何らかの症状があったとのことです。急性期の症状が強かった方ほど、後遺症も残りやすいようですが、急性期には症状が軽かった場合や若い年齢の場合でも後遺症の報告は多く、油断はできません。

治療は、症状に応じた科で対応となりますが、まずは他の似た症状の病気が隠れていないか判断が必要となります。コロナ後遺症の可能性が高い場合には、症状を緩和させる治療が行なわれます。現時点で根本的な治療法はありませんが、コロナワクチンを接種すると後遺症の症状が改善したという報告が増えています。この理由はまだわかっていませんが、ウイルス感染後の体内の過剰な免疫反応を抑えるのではないかと考えられています。そのため、ブースター接種を含め、政府の接種スケジュールに沿って、ワクチン接種を行なうことがまずはすすめられます。

当院では、<コロナ後遺症のご相談>として、コロナウイルス感染症にかかり14日以上経過している方で、後遺症と思われる症状に悩まされている方の診察を承っております。症状についてご心配な場合は、ご相談ください。

医師 千原 康裕