何もしていないのに、突然鼻血がでてなかなか止まらない、あるいは繰り返すといった症状は、大人でも子供でもときどき起こります。こういったときには、どんな検査や治療が行われるのでしょうか?
耳鼻科ではまず、お鼻の中を観察し、どこに出血源があるのか探します。必要があれば内視鏡を使います。90%以上の鼻血では、鼻中隔(びちゅうかく)とよばれる鼻の左右を分ける真ん中のしきりの手前(鼻の入口から5mm~10mm)から出血しています。ティッシュを詰めるようなことをせずに(かえって出血源の傷が広がってしまいます)鼻の外側から鼻翼(びよく)と呼ばれるふくらんだ部分を手で圧迫すれば、ほとんど止まります。鼻炎や鼻の粘膜の荒れもある場合には、薬でも対処します。それでも止まらなかったり、反復する場合には、特殊な装置で原因となっている血管を焼くこともあります。
まれに、鼻の奥からの出血の場合があります。その場合は、単純な圧迫で止めることはできないので、止血用吸収剤をお鼻の中につめ、血液検査などで他の病気がないかも調べます。
5分以内に止まる1~2回の鼻血で医療機関を受診する必要はありませんが、長時間続く場合や何度も反復する場合は、耳鼻科でのチェックもご検討ください。
医師 千原 康裕