妊娠とサイトメガロウイルス1
2023年1月10日
捨てるうんちで拾う命
2023年1月31日

ワクチン接種後の肩の痛 み

ワクチン接種後に、接種したところが腫れたり熱を持ったり痛んだりということはよくあることですが、通常は数日から1週間くらいで治まります。ところが、2週間以上も痛みが続く場合があり、ワクチン接種後の肩関節障害としてSIRVA(Shoulder Injury Related to Vaccine Administration)と名付けられています。病態としては、滑液包という場所にワクチンが混入してしまうことが原因と考えられており、肩周囲に強い炎症が起こり数か月持続するため、五十肩に近い病態として認識されています。今は新型コロナワクチンの接種の機会が増えているため、今後SIRVAも増えるのではないかと危惧されています。

治療としては消炎鎮痛剤の内服、ステロイド注射、理学療法など、これまた五十肩の治療に準じるのですが、湿布や塗り薬を使うことは避けましょう。ワクチンを接種したところがかぶれたり、痒くなったりするリスクがあります。
また、炎症を起こしている場所には新生血管(異常な細い血管)が増加するということが判明しているため、その血管をカテーテルで治療する新しい方法も出てきました。
ワクチンを接種したあと肩の痛みが長く続く場合は、MRI検査で調べる方法がありますので、まずは当院にご相談ください。

医師 長谷川 典子