昭和30年代も不登校が大きく注目された時代だった。その頃は、親の貧困や無理解・無関心、本人の病気・障害、非行などが不登校の原因の多くを占めていたという。
しかし、一方、まじめで成績も悪くない、別にいじめられているわけでもない、しかも本人は学校に行きたい/行かなければと思っているのに、なぜか学校に行けない子供たちが少数いることにも、当時、すでに気づかれていた。高度経済成長期だったことと関係しているのかわからないが、当初は都市部を中心に出現し出したという。が、その後あっというまに全国のどこででも見られるようになり、現代ではこのタイプが不登校の2~3割を占めるという統計もある。
私の4歳下の妹が小学生の時に不登校だったが、このタイプだったようだ。ちなみに、妹が小学校をずっと休んでいたことを私が初めて知ったのは、実は私がすっかり大人になってからである。自分がかなり自己中な女子中学生だったという自覚はあるが、狭い家に一緒に暮らしながら、妹が何年も不登校だったことに全く気づかなかったとは、自分でもとても驚いたエピソードである。
医師 日暮 真由美