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内軟骨腫

内軟骨腫は、骨の髄内から発生する良性腫瘍で、手や足の指の骨に多く発症します。命にかかわるほどの悪影響はないものの、腫瘍が大きくなることで骨の変形などがみられるようになります。(稀に成人になると悪性化することがあり、その場合は「軟骨肉腫」と呼ばれ治療法も異なります。)

内軟骨腫の発症は、PTHR1という遺伝子の変異が原因になっていると考えられていますが、遺伝性があるのかはいまだ確認されていません。幼児期や学童期に発症すると考えられており、骨の膨隆や変形、短縮などの異常がみられるため、脚長差などの成長障害、指の形がおかしいことや関節の異常などで気づかれることが多いです。

診断にはレントゲン検査が有用ですが、CTやMRI検査で総合的に判断することもあります。また、ほとんどの場合は無症状のため、他の症状でレントゲン撮影をしたときに偶然見つかることが多々あります。症状がない場合は治療は必要ありませんが、腫瘍が大きくなることで骨皮質(骨の外側の硬い部分)が薄く弱くなってしまうと、軽い衝撃でもその部分が骨折してしまうことがあります。もしもそのような骨折(病的骨折)が起きるリスクがあるケースや、すでに病的骨折が起こってしまったケースは手術が必要になり、人工骨を移植して対応することが多いです。

医師 長谷川 典子