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ゴルフ障害

シンガポールにおいて、ゴルフは老若男女問わず特に人気のあるスポーツですが、過度にやりすぎたり、準備運動をしていないと思わぬダメージを体に引き起こすことがあります。部位別では、腰・首・肘・肩・手首・膝の順に障害の頻度が多いとされています。以下に主なダメージを挙げてみます。

腰部については、ダウンスイングからフォロースルーのときには側屈と回旋が起こるため、椎間板や椎間関節を痛めやすくなります。準備運動として股関節の柔軟性を保つことが特に重要になります。

また、首や背中も過剰な回旋力により捻挫や肉離れをきたすことがあります。ときには肋骨の疲労骨折を起こすこともあるので、自己診断せずに早めに病院で診断を受けることが大切です。

肩関節においてはスイングの繰り返しにより痛みや引っかかり感が生じる「インピンジメント症候群」という病態になり、さらに進行すると腱が切れることもあります。肩の痛みがある場合は、無理をせず休むようにしましょう。

肘ではダフったときの衝撃でゴルフ肘(肘の内側の炎症)を起こしやすいですが、ゴルフが原因のテニス肘(肘の外側の炎症)の方も外来では多くお見かけします。予防には前腕の筋のストレッチに加え、上腕や肩甲部・前胸部のストレッチもお勧めしています。

最後に、膝もスイングによる回旋動作で負担がきやすく、半月板損傷などの障害をきたしやすいので、大腿部の筋力トレーニングや体重コントロールには普段から気をつかうようにしたいところです。

普段からのストレッチは筋肉の柔軟性を維持し関節の可動域を保つため、ゴルフ障害の予防になります。ダメージを予防し、健康的なゴルフを楽しみましょう!

医師 長谷川 典子