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「笑い」によるドライアイの改善 効果

ドライアイは日本で約2000万人、世界では10億人以上が罹患している最も一般的な眼科疾患です。ドライアイを発症すると、眼乾燥感の悪化、眼精疲労、実用視力の低下など日常生活での不自由を引き起こします。ドライアイの治療は、まずは点眼です。ただ、「笑い」でドライアイを治療できないかどうかを検討した、なかなかに興味深い論文がMIMS DOCTORの2024年10月号で紹介されていました。

この研究では299人のドライアイ患者を2つのグループに分け、片方には点眼薬(0.1%ヒアルロン酸ナトリウム)を投与し、もう片方は笑いのエクササイズを行って、8週間後の症状の変化を調査しました。なお、笑いのエクササイズとは、「Hee hee hee, hah hah hah, cheese cheese cheese, cheek cheek cheek, hah hah hah」というフレーズを30回発声することを、1日4回繰り返すというものです。その結果、ドライアイの症状の評価指数であるOcular Surface Disease Index(OSDI)は点眼薬グループでは8.83ポイント改善し、エクササイズグループでは10.5ポイント改善しました。この結果から、笑いのエクササイズの治療効果は点眼薬に劣らないという評価になりました。またほかの結果では、涙液の安定性を測る検査であるTear Break-Up Timeの改善効果も、有意差はないもののエクササイズグループが優れていると評価されました。

このことから、筆者らは笑いのエクササイズの効果は点眼薬に劣らないと結論づけています。なお、この効果の理由として筆者らは、笑うことによって腹式呼吸となり、それが自律神経を刺激することや、笑うことによってポジティブな気分になり、オキシトシンというホルモンが分泌されることによって涙の分泌量が増えるのではないかと推測しています。

どうしてもモニターを注視する機会が多い昨今、ドライアイもしくはそれに近い症状にお悩みの方は多いと思います。とくにシンガポールではエアコンが強く効かされていることが多いので、なおさらです。正直笑いのエクササイズを実践することは大変ですが、ただ笑うことでもドライアイが改善される可能性があるとしたら、面白い研究結果だと思います。もちろん、深刻なドライアイ症状にお悩みの場合は、ほかの病気が隠れている可能性もありますので、眼科の受診をお願いします。

医師 堀部 大輔