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2025年4月15日

飛行機で耳が痛い!航空性中耳炎の予防策

旅行や出張で飛行機に乗ったとき、耳が「キーン」と痛くなった経験はありませんか?
これは「航空性中耳炎」と呼ばれるもので、飛行機の離着陸時に起こる急な気圧の変化が原因です。鼓膜の奥にある空間(中耳)が外の空気との圧力差で押されると、耳が詰まったような感じや痛みが出ることがあります。
このとき重要な働きをするのが、「耳管(じかん)」という器官です。耳管は、耳と鼻の奥をつないでいる細い通り道で、ふだんは閉じていますが、あくびや飲み込む動作をしたときに一時的に開き、耳の中の圧力を外の気圧と同じに調整してくれます。これがうまく働くと、耳の詰まりや痛みを防ぐことができます。
ところが、風邪やアレルギーなどで鼻がつまっていると、耳管が開きにくくなり、耳の中に圧力がかかってしまいます。その結果、耳の痛みや聞こえにくさが起こることがあるのです。
まれにですが、強い気圧の変化によって、耳の奥にあるとても繊細な部分(音やバランスを感じる場所)に負担がかかり、ダメージを受けてしまうことがあります。これにより、めまいや難聴といった症状が現れ、長引くと手術が必要になることもあります。

こうしたトラブルを防ぐには、「耳抜き」がとても効果的です。あくびをしたり、唾を飲み込んだり、ガムをかんだりすることで耳管が開き、耳の圧をうまく調整できます。鼻づまりがあるときは、点鼻薬や飲み薬で鼻の通りをよくしておくと安心です。また、飛行機用の耳栓を使うのもおすすめです。
耳の違和感は、ちょっとした工夫で防ぐことができます。空の旅を快適に楽しむために、耳のケアもぜひ心がけてください。

医師 高木 太郎