お子さんから大人まで、耳鼻科の外来で相談される症状で、「音としては聴こえているのに、人が何を言っているのかわからない」「レストランでの注文が聞き取れない」「子供の行動をみていると、話が聞こえているのか心配になる」といったものがあります。
外来ではまず、中耳炎(ちゅうじえん)や外耳炎(がいじえん)などの感染症がないか、鼓膜はきちんと振動しているか、難聴はないかを調べます。小さなお子さんでは、難聴の有無を調べるのに、特殊な検査をすることもあります。これらの検査で、聴力そのものに問題があると診断できた場合には、治療を行って聴力が回復すれば症状がおさまります。
しかし、聴力に問題がない(聴こえている)のに、「聞こえない」症状が続く方もいらっしゃいます。その場合の原因には様々なものがあります。不眠やストレスや心理的問題が原因となっている場合、ホルモンバランスが変化している場合、食生活に問題がある場合、睡眠時の無呼吸が影響している場合など多岐にわたります。
「聞こえ」の気になる症状が続く場合は、医療機関でご相談ください。
医師 千原 康裕