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ハウスダストはホコリのことでは ない?

ホコリは、目に見えるような大きさのフワフワしたものを指しますが、ハウスダストは、目に見えない微粒子の集まりという意味で使われます。ハウスダストは「目に見えない」ぶん、ヒトは無意識に吸ってしまうので、注意が必要です。ハウスダストの中で最も頻度高くアレルギーを起こす成分はダニであるため、ハウスダストアレルギーというときには、通常は「ダニ対策」が必要となります。

チリダニと呼ばれる種類のダニは、どの家庭にもたくさんいます。特に、気密性が高く、エアコン等で気温が快適に保たれている先進国の住宅環境で増殖します。多くが、繊維製品(寝具、ぬいぐるみ、カーテン、絨毯、布のソファーなど)に生息し、人間のフケや髪の毛などもエサにしています。チリダニは人を刺したりはしませんが、死骸や糞が微粒子として舞い、吸い込みやすいアレルゲンとなります。

具体的な対策としては、必須でない繊維製品(ぬいぐるみなど)はなるべく減らす、洗えるものは洗う(ダニの死骸や糞は水溶性です)、洗えない繊維製品は掃除機で吸う、風通しをよくしたりクーラーの除湿機能・除湿器・布団乾燥機などを使用して湿度を下げる(ダニは湿度55%下では生息できなくなります。シンガポールの屋外の湿度は約80%です。)、ダニシーツ(ダニを通過させない繊維の寝具)を使用する、などが有効です。

ハウスダストアレルギーが悪化すると、喘息・鼻炎・アトピー・結膜炎などの原因となります。お薬などの治療を含めて、症状が悪化したときにどうしたらよいかは個々人の体質や環境でも異なりますので、お悩みの方は医療機関でもご相談ください。

医師 千原 康裕