しこり、腫れものは、体のどこにできても不安になるものですが、首にできることもあります。首は手で触れやすい場所ですし、鏡でも見やすいので、しこりができた場合には比較的早くに気づくことができると思います。
首には、耳下腺（じかせん）や顎下腺（がっかせん）といった唾液をつくる組織や、甲状腺というホルモンバランスに大事な臓器があり、これらの病気で腫れることがあります。また、ノド・鼻・耳の炎症や特定の感染症が原因で、首のリンパ組織が腫れることもよくあります。
ガンなどの悪性の病気であることは実際には少ないのですが、大きくなってくる場合や複数の部位が腫れる場合には、悪性リンパ腫などに注意が必要です。
首が腫れる病気には非常に多数のものがあるため、まずは疑わしい病状に対する治療を開始しながら、同時に検査もすすめていくという手順になることが一般的です。首にしこりなどを触れて「あれっ？」と思われた場合には、医療機関でご相談ください。
医師 千原 康裕