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ばね指

ばね指とは、指を曲げるときに使う腱の上を覆っている腱鞘に炎症が起こる病気です。
指の付け根に痛みや腫れ、ときに熱感が生じるだけでなく、炎症が広がると腱鞘が分厚くなって腱が引っかかるようになります。すると指を伸ばすときにバネのようにカクンと伸びたり、症状がひどくなると指が曲がったままロックされて伸びなくなったりします。
正式には、肥厚性腱鞘炎といいますが、ばねのように指が弾むのでばね指と言うことが多いです。ちなみに英語でもsnapping fingerといい、直訳そのままです・・・。

どの指もばね指になる可能性があります。原因は、手の使いすぎでも起こりますが、主に妊娠中や産後・更年期の女性に多く見られ、ホルモンとの関連性もいわれています。また、小さい子供に起きる場合もありますが、この場合は多くは先天性だと考えられています。
シンガポールでは、ゴルフで発症する方が日本よりも多いと感じます。

治療としては、まず副木などで局所の安静をと指導しますが、なにぶん指なのでなかなか安静にすることが難しいです・・・。そして、スタンダードには炎症を抑える目的で消炎鎮痛剤を使用します。
これらの方法で効果がなければ、局所麻酔薬入りのステロイド剤を腱鞘内に注射します。この注射は、だいたい3回ほど行うことが可能です。以上の保存療法で効果がない場合は、手術を考慮します。手術は、指の付け根の関節から1センチほど手首に近いところの手のひら側を、1センチほど切開し、皮下で腱鞘を縦に切開して腱の通り道を広げるものです。通常は局所麻酔で行います。

もしも似たような症状で現在お困りの方がいらっしゃいましたら、整形外科でご相談ください。

医師 長谷川 典子