テニス肘という名前は、テニスをする人に生じやすいためにそのような俗称がついていますが、ちゃんとした病名は「上腕骨外側上顆炎」といいます。肘の外側が「上腕骨外側上顆」であり、そこに腱の根元がくっついているため、負荷がかかりすぎると炎症を起こして痛みが出ます。
ちなみにゴルフをしていてもテニス肘になったり、逆もまた然り。テニスをしていてゴルフ肘になることもあります。
多くの場合は安静にしているときは痛まないのですが、痛くて「ビンの蓋が開けられない」とか「フライパンや鍋が持てない」と日常生活に支障をきたしてくるようになると、病院を受診することになります。
負荷のかかりすぎが原因なので、まずは負荷を減らすためにサポーターをつけることをお勧めしています。可能ならば、スポーツ時だけではなくパソコンをするときなど日常生活でもサポーターをつけていることが望ましいです。消炎鎮痛薬や湿布などで改善がなければ、ステロイドの注射を行うこともあります。
また、外来では簡単なストレッチ方法もお伝えしていますが、なかなか良くならない場合はリハビリテーションに通うことも治療オプションに入れています。ごく少数の方は手術になることもありますが、ほとんどの方には手術は必要なく、重症化することはほぼありません。
医師 長谷川 典子