TFCC。聞きなれない名前ですが、手首の小指側にある組織、「三角線維軟骨複合体」という名称が長いので、このように呼んでいます。この組織がケガや加齢で損傷されることで痛みが出て、治療が必要になります。通常は、腕を捻ったり手首を小指側に曲げたときに、手首の小指側に痛みが出ます。安静にしているときには痛みはありませんが、例えばドアノブを回したり鍋を持ち上げるときなどに痛みが出るようになります。
この部位に押して痛みがあると疑わしいですが、診断はレントゲンで骨の長さの違いをチェックしたりMRIで調べます。
治療は保存的には固定やサポーターによる安静、ステロイド注射によって炎症を抑えることもあります。それでも良くならなければ内視鏡による手術などが行われます。捻挫や腱鞘炎だと思い込まれて放置されていることが多いので、このような痛みがあったときには医療機関をちゃんと受診して相談するようにしましょう。
医師 長谷川 典子