月、舟、豆、種子、菱形、三角。さてこれらに共通するものは・・・
答えは「手の骨の名前に含まれている漢字」で、それぞれ月状骨、舟状骨、豆状骨、種子骨、菱形骨(大と小あり)、三角骨となります。骨の形を月や舟に例える風流さ、しかも「船」ではなくて古風な「舟」であるところに、最初に名前をつけた古代の人とそれを日本語に訳した先人のセンスの良さを感じて胸熱です(笑)。
みんな小さくてかわいい骨たちですが、この中で舟状骨だけはなかなかに厄介な子で、骨折していても手を腫れさせず、しかも通常のレントゲン2方向撮影では骨折を見せてくれないことも多いため、わざわざ「舟状骨の条件」という5方向から撮影する特別扱いがなされます。転んで手をついたときに骨折することがままありますが、残念なことにこの骨は血行が乏しいため非常に治りにくく、ときにギプスをしても治らず手術になることもあります。手首の捻挫や打撲と思って転んで手をついた痛みが続くときは、もしやと思って整形外科を受診してください。
医師 長谷川典子