第1肋骨(片側12本ずつある肋骨の一番上の骨)の疲労骨折は、野球など上肢を使用するスポーツで生じることがあります。痛みの場所が骨折部とは違う場所、肩甲部の痛みとなることが多く、痛みが長く続く場合はこの部位の骨折も考えたほうが良いでしょう。ちなみに、種目別では野球(投球動作)が圧倒的に多いですが、サッカーでのヘディングも第1肋骨に負荷をかけてしまい、原因となることがあります。
なで肩や猫背などの体型が原因となることの他に、オーバーユース、コンディション不良、スポーツ動作の不良が関与していることが多いため、いったん治癒しても再発予防のためには斜角筋のストレッチ(首を横に傾け首筋を伸ばすストレッチ)や、肩を上げ下げしたり回したりする肩甲部のストレッチが推奨されます。前胸部のストレッチも有用です。
稀な骨折ではありますが、長く続く痛みは不安要素にもなりますので、スポーツをなさる方で肩甲部の痛みが続いているといった方は一度整形外科を受診しご相談ください。
医師 長谷川 典子