新型コロナウイルス感染症拡大防止のためのサーキットブレーカー(CB)の延長が発表され、もうしばらく不自由な生活が続きますね。
新型コロナウイルスに限ったことではありませんが、ウイルスの主な感染経路は、飛沫感染やエアロゾル感染です。歯科治療において、感染リスクとなる飛沫やエアロゾルは避けられず、CB中は不要不急の治療は避けるようにとシンガポール保健省からの通達がありました。
今なら救える歯が救えなくなりつつあるのが現状であり、歯科医師としてこの現状は非常に心苦しく歯がゆい思いで一杯です。
CBが明けるまで、皆さん何とか現状維持を目指して踏ん張っていただきたいです。
シンガポール保健省が発表している歯科の不要不急の治療の中に、口腔内環境の整備は含まれておらず、今の私たち歯科医師にできることは多くはありません。
歯科医師の立場から、今皆さんにお伝えしたいことは、
“しっかり歯磨きをする!”
です。
歯磨きをして口腔内環境を整えましょう。
感染症予防のために手や体を洗うように、口腔内も清潔にしましょう。
口腔内が不潔だと口に入ってきたウイルスに感染しやすくなります。それは口腔内に存在する細菌が出すたんぱく分解酵素が、ウイルスが粘膜細胞の中に感染することを促進させるからです。
口腔内の細菌の数が多ければ多いほど、食事のたびに口腔内の細菌が腸に運ばれ全身の免疫力が低下します。しっかりと丁寧に歯磨きをして、とにかく口腔内の細菌を減らしましょう。舌磨きもウイルスの感染予防には有効です。
新型コロナウイルスに限らず、インフルエンザや風邪の予防にも歯磨きは重要な予防策です。むし歯も歯周病も最大の予防策は歯磨きです。
皆さんの口腔内の環境整備を一日でも早く行えるよう、新型コロナウイルス感染症が終息してくれるのを願うばかりです。
歯科医師 畑 昌子