死について31
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くちびるのふくれ

唇の内側に水ぶくれのようなものができているが、しばらく経ってもなかなか小さくならない、といった経験はありませんか?
それらの多くは、粘液のう胞とよばれ、口腔や唇、舌などに高い頻度で出現するできものです。のう胞とは、内部に液体や流動状のものが入っている袋状の膜構造を持つものをいいます。風船の中に水を入れて膨らませたようなものと考えるとよいでしょう。特に下唇にできやすく、大きさは1から2センチ前後で、痛みが無いことが多いといわれています。唾液分泌の旺盛な若者に多く見られます。
のう胞は、触れるとしこりのように感じる腫瘍とは異なります。
粘液のう胞の発生するきっかけは、食事中に誤って唇を噛んだり、転んでケガをするなどして、粘膜や唾液の通り道の管を傷つけてしまい、漏れた唾液が粘膜下に溜まってしまうことです。
一般的な治療法は粘膜を切開して、唾液が溜まっている部分を膜ごと一塊にして摘出します。一般歯科や歯科口腔外科で処置が可能です。通常は、摘出したその日から普段どおりの食事ができます。摘出後しばらくしてから再発することもあります。

歯科医師 畑 茂