くちびるのふくれ
2017年12月26日
未受精卵の凍結保存
2018年1月9日

炎症後白斑

日本に比べてシンガポールで多くみられる皮膚症状のひとつに「皮膚の色が白く抜ける(色素脱失)」という症状があります。
皮膚の色が白く抜ける疾患として代表的なものは「尋常性白斑」ですが、お子さんの顔や腕などにみられる境界不明瞭なぼんやりとした色素脱失は「炎症後白斑」や「海水浴後白斑」の可能性があります。
炎症後白斑は湿疹・やけど・ケガなどにより皮膚が強いダメージを受けたためメラニン色素を生成するメラノサイトの機能が一時的に低下してしまうことで、誘引となった湿疹やケガなどが治った後もその部分に色ムラが残ってしまう現象です。時間と共に徐々に改善しますが、長い年月がかかることも少なくありません。
海水浴後白斑も同様に海やプール、サッカーなどの屋外スポーツで日焼けをすることにより皮膚が強いダメージを受け、メラノサイトの機能が一時的に低下してしまい、部分的に色素脱失が生じてしまう現象です。炎症後白斑のひとつと考えられています。保湿などのスキンケアをすることで徐々に改善しますが、更に強い日焼けをくり返さないよう注意が必要です。
しかし尋常性白斑との見分けが難しい場合や、白斑とよく似た他の疾患もありますので、自己判断で放置せず、皮膚科医にご相談ください。

医師 大木 理香