RSウイルスは、特に乳幼児や高齢者、免疫力が低下している方にとって重篤な呼吸器症状を引き起こす可能性がある感染症です。最近2種類のワクチンがRSウイルス感染に対して利用できるようになったのでご案内します。
1)60歳以上の高齢者向けのRSウイルスワクチン
60歳以上の高齢者は、RSウイルスに感染すると肺炎や気管支炎などの重篤な合併症を引き起こすリスクが高まります。高齢者向けのワクチンは、これらのリスクを軽減し、健康を守るために開発されました。
接種対象:60歳以上の方で、特に呼吸器疾患や免疫力が低下している方に推奨されます。
効果:RSウイルスによる重症化を防ぎ、入院リスクを低減することが期待されています。
接種スケジュール: 1回の接種で効果が得られます。
2)妊婦さん向けのRSウイルスワクチン
妊婦さんがRSウイルスワクチンを接種することで、お腹の赤ちゃんにも抗体が受け渡され、出生後のRSウイルス感染リスクを軽減することが期待されています。特に、出生後すぐの赤ちゃんはRSウイルスによる重篤な症状を起こしやすいため、妊婦さんへのワクチン接種が推奨されています。
接種時期:妊娠24週以降36週までが推奨されています。
効果:出生後6か月までの赤ちゃんをRSウイルスから守る効果が期待されます。
安全性:臨床試験で安全性が確認されています。
医師 林 啓一