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デング熱にご注意ください

疾病状況でもときどき触れていますが、現在シンガポールでデング熱の感染が拡大しています。発生件数は6月8日の時点で13000件を超えており、年間の発生件数が過去最大を記録した2020年よりも早いペースで増加しています。
これに関して、在シンガポール日本国大使館からも注意喚起が出ています。(https://www.sg.emb-japan.go.jp/itpr_ja/dengue.html

感染が拡大している原因については、以下のように言われています。
まず、デング熱のウィルス(デングウィルス)は1から4までの4つのタイプがあるのですが、現在はタイプ3が主流であり、このタイプは以前はあまり流行していなかったために免疫を持っている人が少ないとされています。
また、デングウィルスは蚊を介して感染するのですが、最近は比較的暖かい気候が続いていたため、蚊の繁殖が促進されていると考えられます。

デング熱の症状は突然の発熱、頭痛(とくに目の後ろ側の痛み)、関節痛や筋肉痛、嘔気や嘔吐、発疹などです。通常、蚊に刺されてから3―7日程度で発症します。根本的な治療法はないので、対症療法が基本となります。ただ、まれではありますが重症化して命にかかわることもあります。

予防のためには蚊に刺されないことが有効です。できるだけ肌の露出を減らす、虫よけを適宜使用するなどの方法がお勧めです。
また、蚊は水たまりで繁殖します。家の周り(バルコニーなど)にたまっている水を除去することにより,感染拡大を防止することができます。ちなみに、シンガポール政府の説明によると、蚊は20セントコインほどの水たまりがあれば繁殖が可能だそうです。

ところで、デングウィルスを媒介する蚊はシンガポールに2種類いるのですが、そのうちの1種類は森などの郊外で見られることが多いのに対し、もう1種類は民家の近くにも生息しています。政府のホームページでデング熱の発生地域を確認できるのですが、(https://www.nea.gov.sg/dengue-zika/dengue/dengue-clusters)実際にオーチャードなど比較的都会化された地域にもクラスターが発生しています。

なお、デング熱は血液検査で診断できます。突然高熱が出て、関節痛や頭痛も認めるのに、あまり咳や鼻水といった感冒症状がみられず、COVID-19のA R T検査も陰性などといった場合、デング熱も疑われますので、来院してご相談いただきたいと思います。

また、あくまで個人的な印象ですが、私が診察したデング熱の患者さんの半分以上は蚊に刺された記憶がないように思います。蚊に刺された記憶がないからといってデング熱は否定できないこともご承知おきください。

医師 堀部 大輔