脂質異常症(高脂血症)の治療(食事、運動療法のポイント)
2025年8月26日

心肺蘇生中の応援

心肺蘇生は、きっと多くの人にとって一生のうちに出会うことがないと思います。でも、もし目の前で誰かが倒れたら…きっと頭が真っ白になり、手も足も震えるほど緊張すると思います。

心肺蘇生の手技の一つである胸骨圧迫は、やってみると意外なほど体力を使います。体重をかけて胸の真ん中を「強く・速く・絶え間なく」押し続けるため、しばらくすると腕や肩がパンパンになってきます。それでも救急隊が到着するまで、何分も続けなければなりません。これは本当に大変な作業です。

最近の研究では、この大変な作業の最中に「もっと強く!」「休まずに!」といった励ましの声があると、押す深さや速さがより適正に保たれることが分かってきました(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39689627/)。1分ごとの声かけが特に効果的で、胸骨圧迫の質を大きく向上させる可能性があるそうです。

もしあなたがその場に居合わせたら、勇気を出して手を動かすことはもちろん素晴らしいことです。でも、もし直接圧迫する役ができなかったとしても、そばで支えることができます。押している人の横で「大丈夫!」「そのまま続けて!」などと声をかけるだけで、その人の集中力や持久力は高まります。
心肺蘇生は一人でもできますが、周りの人の応援や交代があることで、救命の可能性はさらに高まります。その場にいるみんなで力を合わせて、命をつなぐことができたら本当に素晴らしいと思います。

医師 堀部 大輔