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学童の近視治療 いつやるの?今 でしょ!3

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近視治療の3回目は、近視抑制治療について具体的に解説していきたいと思います。

最もおすすめなのが、
1 0.01%(0.05%)アトロピン点眼です。
アトロピンはもともと戦前より循環器領域で使用されている長い歴史がある薬剤で、眼科領域では1%アトロピンが1970年より使用され乳幼児の斜視や屈折異常を調べる検査薬剤として使用されています。薬剤としても安全性が十分に実証されています。これを100倍に希釈した濃度の点眼を1日1回すると、2年間で点眼をしない近視群と比し、点眼をした近視群は、近視進行を約20-30%抑えることができたと2012年にシンガポール国立眼科センター(SNEC)から報告され、現在では世界各国の人種を対象に効果判定が調べられています。日本でも7施設合同の大規模臨床研究が行われ、昨年結果が出て、日本人に対しても有効であったことが証明されました。

しかし、もう少し強力に近視進行にブレーキをかけるのであれば、
2 オルソケラトロジー(ナイトコンタクトレンズ)や、
3 多焦点コンタクトレンズのマイサイト(MiSight)です。
ともに最も近視抑制効果が強く(2年間で32―62%抑制)実証されています。
オルソケラトロジーは、ハードコンタクトレンズを就寝前に装着し起床後に外すと、角膜上皮が圧迫平坦化することで、光の屈折力を変化させ近視を一時的に治します。日中から夕方くらいまでは裸眼で生活でき、大人の方も、週末にオルソケラトロジーを装着することで週末のゴルフは裸眼でプレーできるという特徴を活かし、利用されている方もいます。小児では、子役の俳優さんや高校球児などに利用されており、子供への安全性も臨床経験済みであり、近年近視抑制効果も合わせて認められていることから、日本の眼科学会でもオルソケラトロジーの装用可能年齢を6歳から使用可能(慎重適応)としています。
一方、マイサイトは、1日使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズです。現在日本では未発売ですがシンガポールでは認可されており、一般販売されています。コンタクトレンズを紛失してもまた新しいレンズがすぐに使えるのはメリットがあるのですが、コンタクトレンズをして学校に行くので、学校でトラブルが起きる可能性もあります。

次回は、近視抑制メガネについてご説明します。

医師 岡野 喜一郎