シンガポールでは季節の移り変わりを感じることが少ないですが、年の瀬はクリスマス会や忘年会のシーズンですね。年末年始で日本に帰省される方も多く、人前に出る機会が増えるこの時期、普段はあまりメイクをしない方が久しぶりにお化粧をしたら肌状態が悪化してしまったというケースが見られます。
顔以外に症状が無く、これといった原因が思い当たらない場合は、お化粧品の鮮度やメイク道具の衛生面をもう一度見直してみましょう。
下地用クリームやリキッドファンデーションなどはチューブの出口に汚れが付着し雑菌が繁殖しやすくなります。使用前はティッシュペーパーなどで拭き取り、中身を少し押し出して分離したり変色していないか確認をしてから使用するようにしましょう。なるべくなら直接手に取らず、清潔なスポンジやパフに必要量をあらかじめ絞り出してから使用すると雑菌が混入しにくくなります。
固形のファンデーションは表面をティッシュペーパーでぬぐい取り、カビ臭い匂いがしないか確認をしてから使用するようにしましょう。
少しでも変色していたり匂いが気になる場合は、もったいないと思っても使用を控えた方が安全です。
もちろんスポンジやパフを清潔に保つことも重要です。毎回新しいものを使用すれば問題はありませんが、くり返し使用する場合は中性洗剤で洗ってから陰干しして充分に乾燥した状態で保管してください。
シリコン製のパフであれば洗浄が簡単なので、より衛生的に使用することができます。
シンガポールではユニットバスが多いため洗面所の棚の中は化粧品の保管場所として相応しいとは言えません。浴室は高温多湿のため、油分が酸化したり雑菌が繁殖するなど化粧品が劣化しやすい環境です。
なるべく冷房の効いた涼しい場所で直射日光を避けて保管してください。
最近ではコスメクーラー(Cosmetics fridge)と呼ばれる化粧品専用の小型冷蔵庫も登場しています。一般的な冷蔵庫よりやや高めの7〜12℃位に設定できる製品が主流のようです。
家庭用冷蔵庫の場合は冷たくなり過ぎないよう野菜室やドアポケットでの保管をお勧めします。
ちなみに一般的な化粧品の使用期限は3年間が目安ですが、これはあくまでも未開封の場合です。
一度使い始めたら徐々に劣化してしまうため、開封後は3ヶ月位を目安にしてください。
医師 大木 理香