健康診断で、肥満からくる脂質異常症、糖尿病、脂肪肝による肝炎などを指摘されて食事療法や運動療法をしろと言われても、実際は何からはじめればよいのか困っていませんか?
食事の献立をカロリー計算してゼロから組み立てたりするのは複雑だし、ジムに行ってプロの指導のもとに運動をするにはお金と時間の拘束がかかりますし、やせなければと思ってもなかなか始められないですよね。
そこで、基本的な生活は今まで通りにして、そこに食事量を減らす、運動を加えることで、引き算方式で減量計画を立ててみてはいかがでしょうか。
この減量計画を立てる上で、健康づくりのための身体活動基準2013のエネルギー調整シートが便利です。
例えば、あなたの体重が80Kgで脂肪肝による肝炎を改善するために6か月間かけて6Kgの減量をしたいとしましょう。
脂肪1Kg=7000Kcalなので、減量したい6(Kg)×7000(Kcal)÷6(ヶ月)÷30(日)で1日あたり、233Kcalエネルギーを普段の生活から引き算すればよい計算になります。
そして、自分のスタイルに合わせて身体活動(運動)と食事の引き算の比率を考えます。ここでは、例として身体活動133Kcal、食事100Kcalの引き算を目指したいと思います。
身体活動で133Kcal消費するには、エネルギー調節シートの一覧表によると、体重80Kgの場合、ウォーキングだと45分、早歩・自転車だと35分、ランニングや水泳だと15分程度となります。朝晩の通勤の15~20分を1駅前で降りて早歩にするだけならできそうかなとか、15分程度のランニングならできそうだとは思いませんか?
では、食事ではどうでしょうか。100Kcal目安として、それぞれ、ごはん茶碗1/2杯弱、食パン8枚切り1枚、ラーメンの麺1/3、からあげ(小)2個、ウインナー(大)1本、餃子(小)2個、スポーツ飲料500ml、ビール250ml(中ジョッキ半分)例としてあげられますが、ちょっと減らすだけでできそうですよね。
自身の目標や性格に合わせて継続できるよう、今日から早速計画をたててみてはいかがでしょうか。
参考資料:内臓脂肪減少のためのエネルギー調節シートhttp://www.kspub.co.jp/download/1553811/p011_data1.pdf#search=%27%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E8%AA%BF%E7%AF%80%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%88%27
医師 佐野 智彦