現在、シンガポールではデング熱が流行しています。2020年6月の第2週には週間発生数1158人と過去最高を記録しました。
ご存じのとおり、デング熱はデングウイルスを持った蚊に刺されたあと、潜伏期を経て発熱で発症します。頭痛、関節痛、発疹なども伴います。残念ながら特効薬はありません。重症化しないか経過観察のもと、主に解熱剤パラセタモール(アセトアミノフェン)による対症療法となります。
予防は蚊に刺されない工夫が重要です。具体的には、長袖服・長ズボンの着用、蚊の忌避剤(DEETを含むものが効果が高い)の使用などです。
シンガポールではデング流行地域がインターネットサイト(https://www.nea.gov.sg/dengue-zika/dengue/dengue-clusters)で確認できます。
6月18日現在、セントラル地域からイースト地域に多くのクラスターが出ていますので、居住地域に発生がないか確認し予防に努めましょう。ご自宅が発生源にならないためにも、ご家庭の屋内外に蚊が発生する水のたまりがないか定期的に確認し除去することも重要です。
医師 佐野 智彦