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胃食道逆流症(GERD)

内視鏡検査(胃カメラ)をすると、多くの方の食道下端にただれ(びらん)や粘膜の白濁がみられます。これは、胃内容物(胃酸)の食道への逆流により起こり、胃食道逆流症(GERD)と言われます。

胃食道逆流の典型的な症状は胸やけと呑酸(どんさん)ですが、検診で偶然発見される自覚症状がない方も少なくありません。

酸逆流症状は、夜間の胸痛や睡眠障害といった日常生活に支障をきたす原因となったり、食道外症状として慢性的な咳や喉(のど)の炎症、喘息、副鼻腔炎などを起こすこともあります。そのため、胸やけや呑酸のない食道外症状がメインの方は、胃食道逆流症の存在に気づかれにくい可能性があります。

胃食道逆流症には、胃酸が食道に逆流しないような生活習慣の改善や変更(減量、禁煙、遅い夕食や誘発食品の回避、頭位挙上など)が重要ですが、プロトンポンプ阻害薬(PPI)やカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)といった胃酸を抑えるお薬も非常に有効で効果が期待できます。
慢性の咳や喉の痛み等で、通常の治療を受けても治りが悪い方、内科もしくは耳鼻科医師にご相談ください。

医師 佐野 智彦