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奈良宣言2023

「奈良宣言2023」は、慢性肝臓病克服のため、血液検査のALT値が30を越えていたらかかりつけ医等を受診し、肝臓病の早期発見・早期治療につなげましょうという、日本肝臓学会から国民への発出された宣言です。

かつて肝臓病のなかで頻度が高かったウイルス性肝疾患(特にB型やC型)は治療薬の進歩により減少する一方、生活習慣を基盤とする肥満やアルコール脂肪肝による肝臓病が増えてきました。

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、自覚症状が乏しく、肝硬変や肝臓がんに進行して、黄疸や腹水といった症状が出て初めて肝臓病に気づかれることも少なくありません。

慢性肝臓病の指標となるのが、一般的な健康診断でも肝機能検査として広く実施されているALTです。肝細胞は傷がつくと、細胞内のALTが漏れ出して、血管内に移行して数値が上昇します。

ALTが30を超えて高くなると、肝臓に炎症(肝炎)があると考えられています。肝炎を5年、10年と放置すると肝硬変、肝がんへと進行する恐れがあるので、早期の段階で炎症の原因を突き止め、炎症を抑えておくことが肝要です。

慢性肝臓病を進行させないために、ALT>30を指摘されたら、かかりつけ医もしくは消化器内科医にご相談ください。

医師 佐野 智彦