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腹部超音波検査で「胆管拡張」と言われたら?

健康診断の腹部超音波検査では、肝臓・胆のう・膵臓などとともに、胆管も観察されます。胆管は、肝臓で作られた胆汁を十二指腸へ運ぶ「管」で、消化に欠かせない役割を担っています。

この胆管が通常より太く見える状態を「胆管拡張」と呼びます。胆管の下流で胆汁の流れを妨げる病気が隠れている可能性があり、胆管胆石、胆管がん、膵がん、膵胆管合流異常などが考えられます。そのため、MRCP(磁気共鳴胆管膵管撮影)に加え、必要に応じてCTや内視鏡などの精密検査が推奨されます。

とはいえ、「胆管拡張=病気」とは限りません。胆のう摘出後に拡張がみられることが多く、また年齢とともに太くなる傾向があることも知られています。超音波で胆管の末端までしっかり観察でき、病変が見当たらない場合には、経過観察で済むこともあります。

ただし、原因不明の胆管拡張をそのままにしておくと、病気の発見や治療のタイミングを逃す可能性もあるため注意が必要です。健康診断で「胆管拡張」と指摘されたら、まずは医師に相談し、必要に応じて追加検査を受けましょう。早めの確認が安心につながります。

医師 佐野 智彦